M1 MacBook Airを1ヶ月半使ってみて
4月にMacBook Air (M1)を購入してから1ヶ月半ほど使ってきましたが、色々と使ってみて気づいたことを書いてみたいと思います。(長文です)
仕様:
・MacBook Air (M1) 8コアCPU、8コアGPU
・メモリ 16GB
・ストレージ 1TB
・キーボード US配列
MacBook Air (M1)
1. 性能・パフォーマンス
Apple Silicon M1チップのおかげで圧倒的にパワフルだと感じてます。最近のIntel Coreシリーズの性能はわからないのですが、13年間使ってきたMacPro Early 2008(2.8GHz Intel Xeon 8コア)に比べると圧倒的な快適さです。ハードディスクが高速なSSDになっているというのも相当効いていますね。
GeekbenchブラウザーでMac Pro Early 2008 (2.8GHz、8コア)のスコアを調べると、Single Coreは407、Multi Coreでは2274となっています。CPU周りだけでも4倍以上M1チップの方が速いです!
M1 Macがもっと早く登場していたらよかったのにと思いましたが、逆にM1 Macが出るまで買い替えなくてよかったとも感じています。
電力効率も圧倒的ですね。Mac Proは電源を入れると100W-150Wぐらい電力を使うのですが、MacBook Airはたかだか数Wですね。もちろん Mac Proはデスクトップですし圧倒的な拡張性があるので、それらのために電力を使っているというのもありますが、それにしてもです。。。
実は、2年前くらいに購入したiPhone SE(第1世代)でなんとなく、Apple Siliconの性能の高さには気づいていました。ただあくまでもモバイル用に作っているので高速なんだろうと思っていましたが、ついにMacに搭載しちゃったか!という気分です。
私事ですが、以前無線機に搭載したARM CPU(32bitですが)でのソフトウェア開発をやっていた経験があるので、ARMアーキテクチャの素晴らしさはそこそこ理解していました。いまやスーパーコンピューター富岳のCPUだってARMコアベースですからねー。
メモリは16GBにカスタマイズしていますが、これは増やしておいてよかったです。
NX Studioなどメモリをたくさん使うアプリを一つでも開いて作業していると8GBではすぐに足りなくなります。ストレージ(SSD)は外部に接続すれば増やせますが、メモリは後から増やせないのでこれはぜひとも16GBにしておきたいところです。さらにハードに使うとなると16GBでも足りなくなると思います。
2. Display
Retina Displayは本当に綺麗ですね。光沢タイプということで購入前は反射・映り込みが気になっていたのですが、映り込みを軽減する(?)コーティングのおかげで想像していたよりかは気になりません。アンチグレアタイプのフィルムを貼ろうかと思いましたが、コーティングが剥がれてしまう可能性があるので辞めました。
Retina Display (写真はKUROBEアクアフェアリーズ)
色域がDisplay P3ということで、外部モニタとして使っているカラーマネージメントモニターBenQ SW270cと比べても色再現性に関して遜色ないと感じています。高色域であるRetina Displayのおかげで、写真をやる人はMacを選ぶんだなとつくづく実感しました。
ちなみにまたもや13年前に購入したMacBook Proも持っているのですが、Retina Displayにははるかに及びません。まぁ当時としては綺麗な方でしたが。
3. 拡張性
ここは購入を迷ったところです。正直USBポートが二つで足りるのか?と。
しかも一つを電源(充電)に使ってしまったら、残りは一つではないかと!
巷には”多機能なUSBハブ”が売られていますが、ちゃんとしたものを選ばないとMacBook本体がこわれるという恐ろしい話もあり、どうしたらいいんだろう?と迷っていました。
ですが結局、”普通のUSB-C Hub” (USB 3.0 Type Aのみ)のハブを使ってそこにオーディオインタフェース、USB-LANアダプター、外付けハードディスク、外付けSSDなどをつなげば事足りることがわかりました。外部ディスプレイとはUSB-C接続なので、映像、データ、給電をケーブル一本で済ませるのでこれも問題がありません。
uni USB-C 3.0ハブ
ドッキングステーションなるものを使えばそれはそれらの配線がスッキリしそうですが、かなりお高いので個別に気になったものを購入するのがいいんじゃないかと思っています。
uni USB LANアダプター
USB-C Digital AV Multiportアダプタ
PFU Happy Hacking Keyboard (HHKB) Lite2
4. 発熱
M1 MacBook Airが発売された時にレビューされた記事では”全然熱くならない”なんて書かれているものが多かったですが、重たい作業を数時間連続でやるとめっちゃ熱くなりますね。特に外部ディスプレイを接続してNX StudioでRAW現像処理を行うとかなり熱くなります。キーボード上部のあたりはさわれないくらいです。自分としてはこの作業は”重い”とは考えていなかったので、ちょっとあてが外れた感じです。
あとCINEBENCHをやるとびっくりするくらい熱くなります(笑)
黄色:ほんのり暖かくなる。オレンジ:結構熱くなる。赤:触れないくらい熱くなる。
この辺は冷却ファンを内蔵しているMacBook Proの方がいいかもです。でもそれに25,000円のエクストラは払えませんでした(汗)
当初はProを買おうと思っていたのですが、基本のマシンパフォーマンスが拡張性も含めてProとAirで同じというのが引っかかりました。発熱してもすぐに冷やさなければならないほどであればAirでいいんじゃないかと。USBポートが4つだったらProを買っていたかもしれませんが。
5. キーボード
現行のMacBookにはシザーズタイプのキーボードが搭載されていて、以前のバタフライ式のものに比べるとよくなった、、とありますがどちらもちゃんと触っていないので今のタイプが良くなったかどうか正直わかりません。とりあえず文字入力は薄っぺらい割にやりにくくはないですね。でも、やっぱりノートPCのキーボードですよね。Mac Proで使っていた10年選手のHHKB Lite2がいまだに元気なので、文章作成時はこちらを使うことにします。たしかMac Pro Early 2008にも”薄いキーボード”が付属していたのですが、2−3年で壊れたのであんまり印象はよくないです。
US配列だからかもしれませんが、”ひらがな”、”ABC”の切り替えができなくなることがよくあります。これはM1チップととは関係ないですが。fnキーで入力切り替えできるように設定していますが、それでは切り替えできなくなることがよくあります。その時にはcontrol+spaceで切り替えています。この辺は専用のキーがある日本語配列キーボードの方がいいですね。
6. トラックパッド
これも初めて触ります。もちろん店頭にあるものを触ったことはあるんですが。
これは本当に快適ですね! デスクトップでも別売りのトラックパッドを買う人の気持ちがわかりました。
ただクリック動作がソフトウェアで(?)制御されていて、システムがロックアップ(フリーズ)するとクリックできなくなるのはびっくりしました(笑)
とはいえ、Bluetoothマウスも併用はしています。
Track pad
Baffalo Bluetooth Mouse
7. アプリケーション
拡張性よりもっと重要だったのが、利用したいアプリがM1 Mac (Apple Silicon)対応するのか?ということでした。
Mac Proを使っていて一番ストレスだったのはニコンのRAW現像アプリ「Capture NX-D / ViewNX-i」が異様に遅いことでした。これらが3月始めに、Rosetta2での動作ではありますが、(やっと)Big Sur&Apple Siliconに対応したということで購入意欲が高まりました。そしたらこの二つを統合したアプリ「NX Studio」がたて続けにリリースされるというおまけ付きでしたけど。
NIKON NX Studio
もちろんMacBook AirではNX Studioを使っていますが、問題なく使えています。とてもエミュレーションで動作しているとは思えません。気持ちメモリ使用量が多いかな?という気がします。Rosetta2はPowePCコードをIntelチップで動作させていたRosettaを知っている身としては衝撃的でもあります(笑)
当時、Appleの伝説のプログラマ(?)が一人でRosettaのコードを書いたとか、そうでないとか。ソフトウェアエンジニアならRosettaのようなエミュレーションはやりがいがありそうです。
何かの記事で読んだのですが、M1チップにはRosetta2エミュレーション動作に都合の良い”細工”をちょいと施しているそうですね。この辺にソフトウェアとハードウェアを自社で作る大きなメリットを感じます。
あとは、カラーマネージメントモニターBenQ SW270cのキャリブレーションアプリ「Palette Master Element」とi1 Display Pro(i1Profiler)がM1 Macに対応したことです。これもRosetta2での動作ですが、問題なく使えています。Palette Master ElementはMac Proで使っていた時より安定していて、しかも動作も速い気がしてます。
BenQ Palette Master Element
Logic ProやFinal Cut Proに関してはM1 MacBookがリリースされると同時にネイティブ対応していたので全く問題がありませんでした。ただサードパーティー製のオーティオプラグインがまだ使えないのがちょっと痛いです。とはいえリミッターぐらいしか使っていなかったので、Logic付属のAdaptive Limiterとコンプでもどうにかなります。
Apple Logic Pro
画像編集系ではAffinity Photo, Affinity DesignerがすでにM1ネイティブ対応していて、おまけに格安で購入できたのでPhotoshopはお蔵入りです。Illustratorはもしかすると必要かもしれませんが。
Affinity Photo
Mac Pro Early 2008にはMac OS X 10.11.6 (El Capitan)までしかインストールできなかったので、対応OSバージョンのためインストールできないアプリがたくさんありました。最新macOS Big Surが標準搭載のMacBook Airを手に入れて一番の恩恵は、それらの制限のあるアプリをインストール・利用できるようになったことかもしれません。とはいえ逆にBig Surに対応していないアプリもまだあるようですが(汗)
以上いろいろと書いてみましたが、Mac Proから発生される大きなノイズから解放されて静かな部屋で快適にMacを楽しむことができて、大満足です!
あと電気代もかなり安くなると思われます(笑)
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